zen-noh-ren’s diary

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活躍するMC第3回―埼玉県よろず支援拠点チーフコーディネーター 越智隆史さん

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今回ご登場いただくのは認定マネジメント・コンサルタントの越智隆史さん。さわやかな笑顔が印象的な越智さんは現在「よろず支援拠点」のチーフコーディネーターという肩書を持っておられます。2017年7月21日開催の全能連 MC/MI大会でその活動紹介や全能連との連携についてお話しいただいた越智さんに、インタビューさせていただきました。

 

【インタビュー】

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ここ3ヶ月での相談件数は昨年度比120%超増加! 増え続ける「よろず相談」

 

ーー「よろず支援拠点」は、国の事業なのですね

 

越智氏(以下、越智):はい。3年前から始まった、国の経営相談所です。対象は、中小企業・小規模事業者で、さまざまな経営上の課題をワンストップで答える相談窓口です。全国47都道府県に設置されていますが、私は今年の4月から埼玉県の拠点でチーフコーディネーターとして携わらせていただいています。

ーーどのような相談が多いのでしょうか

 

越智:売り上げ拡大・販路拡大から新商品の開発、店舗改善、事業計画まで、相談は本当にさまざまです。年々相談数が増えており、人手が足りない状態です。埼玉県のコーディネーターは私を含めて16名おりまして、全国の中でも比較的人数が多い方なのですが、それでも相談数が多いのです。ここ3ヶ月だけ見ると、昨年度比120%超の伸び率です。

ーーそれは大変な伸び率ですね

 

越智:もともとあまり知られていなかったこともあるのでしょう。今年で4年目に入り、金融機関や商工会・商工会議所等のご協力もあり、信用度も上がったことでぐんぐんと相談数が増加しています。

 

ーー通常はどのような活動をされているのですか

 

越智:平成29年度は、4つの取り組みを重点分野に位置づけています。

1ITを活用した生産性向上に向けた取り組み

2)事業承継

3)人手不足問題

4)信用補完制度の見直しに伴う経営改善等への対応

ただし、基本的には「よろず」ですから、相談や業種に関して縛りはありません。どんな相談でもお受けしています。

最近では、個人事業者さんからのご相談も増えています。フリーランスシステムエンジニアさんだったり、カメラマンの方などです。個人として独立したものの誰にも相談できなかったことを話せる誰かがいる、相談相手がいる、というのは大変心強いものですから。

 

ーー「よろず」だと、話しているうちに別の相談が出てくることもありそうですが

 

越智:はい、よくあります。売り上げ拡大のご相談を受けて店舗に赴いたところ、店舗整理や陳列の仕方に課題があることに気がついたり、お話しているうちに経理書類の書き方を修正したほうがよいことに気がついたり。相談者さんにお許しいただける範囲で、相談外のことでもできる限り提案をしていきます。

 

ーー今年の重点テーマには事業承継も入っていますが

 

越智:はい。事業の承継には非常に危機感があります。中小企業白書をご覧いただければわかるとおり、年々、企業数は全国的に下降の一途を辿っています。その理由はさまざまで、例えば中小企業の経営で苦労されている方は「自分の子供に継がせたくない」という方も多いです。そういった場合にM&Aや社員への事業承継などを提案し、なんとか企業を残していきたいと考えています。会社が潰れなければそれまでに培ってきた技術は承継されますし、従業員も守ることができます。

 

ーーやはり、経営難の相談が多いのでしょうか

 

越智:いえ、そればかりという訳でもありません。元気な会社さんの相談もありますよ。例えば、急成長して従業員が大幅に増え、その管理方法を模索している企業様などです。会社が大きくなる時は、それまでのやり方ではどうしても行き詰まる時があります。そういった壁を、我々の支援をきっかけに突破していただけるととても喜ばしいです。

 

全能連との連携で悩みを持つ地方企業とコンサルタントのマッチングを期待

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ーー全能連とは、どういう連携を取っていきたいですか

 

越智:全能連には、多くのコンサルタントが集まっています。私は税理士ということもあって、お金まわりの相談は多いですが、専門ではない相談ももちろんあります。私たちの考え方や存在意義を知っていただき、一緒にやっていただける専門家の方を増やしたいと思っています。私が全能連の認定マネジメント・コンサルタントであることからこういった機会をいただきましたが、埼玉県よろず支援拠点で全能連との取り組みが成功すれば、他県のよろず支援拠点へご紹介するなどの横展開もできます。そうすれば、今まで届かなかった地方企業とのマッチングも可能になるでしょう。さまざまな専門性を持つプロフェッショナルである先生方の活躍の場を広げることが可能になると思います。

 

ーー最後に、会員コンサルタントの方に向けてメッセージをお願いします

 

越智:私たちの目的は中小企業や小規模事業者を元気にすることです。そのために、課題によってより多くのプロフェッショナルをマッチングさせていくことが重要だと思っています。私どもの理念に共感いただいた専門家・専門団体の方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡をいただければと思います。

 

ーーありがとうございました。

 

 

MC/MI大会でお話しいただいたあとも「MCやMIの方と連携実績ができ、今後の中小企業支援モデルができればと心より願っています。」とメールをいただいた越智さんのますますのご活躍をご祈念すると同時に、本内容にご興味のある方は以下までご連絡頂ければと思います。

 

 

 

公益財団法人埼玉県産業振興公社(埼玉県よろず支援拠点)

URL http://www.saitama-j.or.jp/kikaku/yorozu/

TEL 0120-973-248(越智さんあて)

 

<プロフィール>

越智 隆史 氏

製造業で上場準備・資金調達・M&Aなどに従事し、その後小売業にて連結決算や税務に携わった後、埼玉県よろず支援拠点チーフコーディネーターとなる。主な支援分野は、経営管理の改善、上場準備、M&A