読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

zen-noh-ren’s diary

マネジメント業界とプロフェッショナル人材に向け、情報を発信していきます。

【インタビュー】論文を書く意義とは/経済産業大臣賞を受賞して(後編)

f:id:zen-noh-ren:20160705135936j:plain

全国能率大会募集論文の第67回(平成27年)全国能率大会 経済産業大臣賞を授与された村上剛氏(株式会社日本能率コンサルティング)に、受賞のお気持ち、また今後の抱負などを交えてお話を伺いました。

前編「どうやって人事が経営に貢献していくのか」は>>こちら

 

今後の人材マネジメント業界の展開

ーー今後の人材マネジメント業界は、どう展開していくとお考えですか?

 

村上:論文にも出した言葉、「タレントマネジメント」がキーワードの一つになってくると思います。「タレントマネジメント」という言葉は、そもそもは次世代の経営者や次世代リーダーを”トップタレント”と呼び、そういう人たちをいかに計画的に育てていくかというマネジメントプログラム……という概念がありました。それがどんどん広がっていくと同時に意味も広義になっていき、今では「いかに一人一人の才能を開かせるか」というニュアンスを持った言葉になりました。
「タレントマネジメント」という言葉自体は欧米で発生したものですが、今いる人をどう活かすかという発想は、労働人口が減り続けている日本において、最重要といってもいいくらいどの企業でも必要なものです。それを論文では “人材資産マネジメント”と呼んでいます。

 

ーー欧米でいう「タレントマネジメント」と日本でいう「人材資産マネジメント」は若干意味合いが違うものでしょうか?

 

村上:違いますね。ただ、クライアントには「タレントマネジメントみたいなものです」と言うと通じやすいので、そう言ってしまいますけども(笑)。考えている発想は違うんです。

 

ーー「一人一人の才能を開かせる」と言っても、人材育成のステップも道筋も会社によって違いますよね。

 

村上:会社によっても、人によっても違います。その人の状況がそれぞれ違うわけですから。一人一人と向き合っていくことは、まさにマネジメント業務そのものなんです。いかに人を活かしていくかを考えながら業務に向き合っていきたいと思っていますし、その考えを日本に浸透させていきたいと思っています。私の論文が、そういう意味で日本全体の活力を上げる一助になれば幸いです。

 

毎日の生活で、課題と検証を繰り返す

f:id:zen-noh-ren:20160705135943j:plain

ーー毎日さまざまな業務を行っていらっしゃると思いますが、論文を書く時のような「業務の振り返り」は、日常的に行っているのですか?

 

村上:そうですね。帰る時などに「今日の気づき、教訓は何か」と考えますね。

 

ーー毎日意識していると、何かしらの気づきはあるものでしょうか。

 

村上:あります。逆に、気づく力がなくなることが一番怖いですね。
例えば私はブログを書いてはいませんが、書いている人は、ただ食事に行くだけでも「この従業員さんの対応が素晴らしかった。自分がクライアントに対する時に参考にしよう」とブログのネタになるような発見をするでしょう。一方でブログを書いてない人は、同じ店に行っても「この店は対応が良くて気分がいい」と感じるだけだったりします。それは、アンテナの違いにほかなりません。今日一日で何かを見つけようとしながら生活すると、「この気づきをメモしておこう」と考えるようになる。
今回の論文の中にもそういう部分を書いているんです。

 

ーーそれはどういうことですか。

 

村上:経験の前には課題を立て、それを検証します。検証は、経験そのものです。例えば、私は論文の表彰式に出ましたが、その前に今日の表彰式でどういうことを学ぼうか、と事前に考えておきます。それで表彰式に臨むわけです。それが学べたか学べなかったかが検証です。
こういった「課題と検証」を繰り返すことによってナレッジが溜まり、これを組織で行えば組織のナレッジが溜まっていきます。それらを活用することによって組織の力が強くなります。

 

ーー自分を振り返ること、業務を振り返ることを毎日続けていれば、論文を書くのはそれをまとめるだけですし、自分や組織の成長にもつながりますね。

 

村上:そうですね。やはり人間は何かしらの課題を持ってこの世に生を受けるものだと思っているので。人間は一生学びを続けていく存在だと思っています。

 

ーーでは最後に、これから論文を書こうという人に向けて、何かメッセージをお願いします。

 

村上:繰り返しになりますが、やはり論文を書くことは自分自身を振り返る非常にいい機会になります。自分がどのような意識で仕事に向き合っているかを再認識するという意味でも、意図的にそういう時間を設けることが有効なのではないでしょうか。
それが評価されれば嬉しいですし、評価が目的でなくても書くこと自体に意味が大いにあると思います。

 

——ありがとうございました。今後の村上さんのご活躍を期待しています。

 

村上:こちらこそ、ありがとうございました。

 

<了> 

2016年5月31日 アルカディア市ヶ谷 平成27年度優秀論文発表会後

(取材・構成:全日本能率連盟 編集部)

 

 

プロフィール

村上剛 氏

大手事業会社で人事・総務・経理、経営企画、法人営業、業務改善コンサルタント職を経て、株式会社日本能率コンサルティングに入社。企業の人事制度や人材育成の仕組み構築、組織活性化等のコンサルティング業務に携わる。論文「経営・事業戦略を実現する人材を増やす人材資産マネジメント」にて、第67回(平成27年度)全国能率大会 経済産業大臣賞受賞。

www.jmac.co.jp