zen-noh-ren’s diary

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【インタビュー】論文を書く意義とは/経済産業大臣賞を受賞して(前編)

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 全日本能率連盟では「経営の科学化」推進に向け、“産業復興”、“経営革新”、“人材開発”に関する論文を広く募集し、優れた論文にはマネジメント界で唯一の「経済産業大臣賞」を授与しています。

今回は、去る平成28年5月31日に行われた優秀論文発表会にて第67回(平成27年)全国能率大会論文の経済産業大臣賞を授与された村上剛氏(株式会社日本能率コンサルティング)に、受賞のお気持ちを交えてお話を伺いました。

応募を検討されている方は、論文作成のヒントとして是非参考にしてみてください。

 

どうやって人事が経営に貢献していくのか

——全能連募集論文の最優秀賞である経済産業大臣賞の受賞、おめでとうございます。今のお気持ちはいかがでしょうか。

 

村上氏(以下、村上):ありがとうございます。とても光栄です。最近、自分がコンサルティングを行う中で、人事や人材開発、組織開発分野は特に経営とのつながりが求められていると感じます。その中で、ではどうやって人事が経営に貢献していくのかということ…それは普段自分が行っていることなのですが、自分の考え・活動をそのまま書きました。それが外部から評価されたということなので、素直に嬉しいですね。

 

――受賞すると思っていましたか?

 

村上: いえ、全然思っていませんでした。弊社からは複数応募して、他賞も受賞しましたので、会社としては喜ばしいことだと思います。

 

——今までの業務内容をそのまま論文に書いたとのことですが、受賞のポイントはどこだと思いますか?

 

村上:具体的に書くことを意識しましたので、そこが評価されたのかもしれません。

 

――村上さんの論文タイトルは「経営・事業戦略を実現する人材を増やす人材資産マネジメント」。このテーマはどうやって選ばれたのですか?

 

村上:全能連さんの論文募集要項に「経営革新に関する内容で、実践的論文(実践につながる実証論文、理論研究論文、提案も含む実践的な論文など)」とありますが、それを考えた時に、自分の抱えているさまざまな仕事の中ではこのテーマが一番ふさわしいと思いましたので。
先ほども申し上げた通り、日々行っている業務のことを論文に落とし込んだわけですが、文字にして論理立てて考えるというのは、自分自身が今までやってきたことを改めて振り返る非常にいい機会となりました。おかげさまで賞をいただけたことはありがたいです。

 

ーー普段も、プレゼンなどのために資料化したり記録したりはされているのでは?

 

村上:もちろんです。しかし、パワーポイント資料は図版が入りますし、プレゼンは話しながら説明していくことが多いものです。自分の活動や考えをまとめ、論理性を意識しつつ構成し、すべて文章にする機会というのは、あまりありません。自分の考えを字でまとめるのは、意義深いことだと思います。

 

タイムマネジメントができなければこの仕事は務まらない

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ーー普段の業務も行いつつ、論文を書き上げられたわけですが、時間の使い方などで苦労した点はありますか?

 

村上:小説のように「すべて0から書き上げる」というわけでもありませんし、資料化は仕事のうちなのでそこまで苦労はありませんでした。時間のやりくりもそんなには……苦労した記憶はないですね。そもそも、タイムマネジメントができなければこの仕事は務まらないので(笑)。投入工数を算出し、最終的な締め切りまでに何をいつするかの計画を立てて……と、通常業務と同じ感覚で行っていきました。
書くにあたっては帰宅する前に図書館に寄ったりもしました。図書館で仕事をすることは嫌いではないので。

 

ーーいわゆるノマドワーカーですね。働き方改革なども中央省庁で推し進められていますが、そのテーマもお持ちなんですか?

 

村上:論文には書いていませんが、会社ではテーマを掲げて取り組んでいます。もともと”能率コンサルティング”ですから。生産性をどう上げていくかというところで、「時間価値」はより強化していく分野です。例えば通勤時間をどう過ごすか。どうやって価値を生み出していくかということです。

 

ーー環境を変えて業務をしたり、この場合は論文を書いたりすることで、より生産性を生み出すことはあるでしょうか。

 

村上:あると思います。環境が変わると気分も変わりますし。また、帰宅時間に電車の中で少し寝て頭をスッキリさせてから論文に向かうなどすれば、効率も上がります。限られた時間をどう生かすかを考えることが重要だと思います。

 

後編「今後の人材マネジメント業界の展開」へ続く。>>後編はこちら

 

(取材・構成:全日本能率連盟 編集部)

 

 

プロフィール

村上剛 氏

大手事業会社で人事・総務・経理、経営企画、法人営業、業務改善コンサルタント職を経て、株式会社日本能率コンサルティングに入社。企業の人事制度や人材育成の仕組み構築、組織活性化等のコンサルティング業務に携わる。論文「経営・事業戦略を実現する人材を増やす人材資産マネジメント」にて、第67回(平成27年度)全国能率大会経済産業大臣賞受賞。

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