zen-noh-ren’s diary

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新年情報交流会 手塚和宏氏講演と賀詞交換会

内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局 手塚和宏氏講演

平成28年1月9日、一般社団法人日本能率協会にて、新年情報交流会が開催されました。
講演では、内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局/手塚和宏氏に地方創生についてお話いただき、今後のコミュニティ、および社会のあり方をどう考えていくかを紐解く場となりました。

 

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講演のテーマは「地方創生について」。政府の「骨太の方針2014」が示した「50年後に1億人程度の安定した人口構造を保持する」との目標達成に向け、「地方創生」は今、注目のテーマになっています。

 

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講演「地方創生について ー国と地方における人口の現状と将来見通し、総合戦略の策定・推進ー」

◯背景ー人口減少・出生率の低下等

◯国と地方の長期(人口)ビジョンと総合戦略

◯具体的施策等

1時間という短い間ながらも、上記の3つの視点からそれぞれに体系的に整理されたきめ細かいデータが開示され、緻密な解説がなされました。

 

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人口減少・出生率の低下

はじめに、世界的に進む人口減少について、日本全体から東京圏・首都圏の人口データ、人口移動の状況などが示され、現状の問題定義がなされました。

将来的には、2050年には人口が半分以下になる地点が6割を超え、うち2割では無住居化する、三大都市圏の高齢化が急速に進む、などの予想が語られ、各都市の人口増減率やサービス施設の立地状況などのデータが示されました。

国と地方の長期(人口ビジョンと総合戦略) 

続いて、「まち・ひと・しごと創生法」の概要とともに、諸外国の出生率の動向や地域ごとの未婚者の結婚意思・夫婦の理想子供数など、比較的若い世代の希望出生率について紐解いて行きました。

経済戦略において、労働人口・生産人口の見通しは欠かせないものとして、現状の把握から長期的な展望までが述べられました。

具体的施策等

地方への支援策「3本の柱」を紹介。「情報支援」「財政支援」「人的支援」の3つをベースに、地域に立脚した多彩なプログラムを実施していくとのこと。地方の問題は地域によって多様な課題があり、その土地ごとに具体的な施策を行うことが重要であることを、豊富な資料とともに説明されました。

また、地域経済分析システム RESAS

resas.go.jp

 が紹介されました。

RESASは地方創生関連の公開データベースで、関連法案や閣議決定の一覧や、全国の移住関連情報などがまとめられています。興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

講演後の質疑応答では、予定の時間を越えるほどの深い質問が寄せられました。会員の皆さんの関心の深さが伺えます。

 

講演後、賀詞交換会開催

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 新年最初の交流会でもあったことで、講演後は会場を地下レストランホールへ移して賀詞交換会を開催。全日本能率連盟中村会長の挨拶後、和やかに始まりました。

新しい年の幕開けに際し、あらゆる分野で活躍する会員同士の新たな出会いと交流の場となり、盛会のうちに幕を閉じました。

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研究交流会 田中秀春氏講演「顧客が求めるコンサル技術とは」

平成28年1月19日、新年初の全日本能率連盟研究交流会を開催。

グループディスカッションに先立ち、豊富なご経験を持つ経営コンサルタント・田中秀春氏による「顧客が求めるコンサル技術とは」と題した講演が行われました。

 

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コンサルタントに必要な技術、ならびに顧客との関係性」をテーマに、経験の浅いコンサルタントはもちろん、現在活躍中の方においても有用な思考法をお話いただきました。

講演「顧客が求めるコンサル技術とは」

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トピックは下記の3点。

1 顧客のコンサルタントへの「能力の値踏み」と「緊密度の濃淡」

2 コンサルタントに必要な3本の矢

3 コンサルタントの心的風土が与えるコンサル技術

 

「顧客がコンサルタントに期待することは、”企業問題の解決と、これが生み出す成果・効果”、”早期に問題解決の成果・効果が見えること”の2点」と話す田中氏は、大学教授として学生たちに教えるかのように、平易な言葉かつユニークな語り口で、参加者を話に引き込んでいました。

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講演終盤で語られた言葉は

「空腹の子供に魚を一匹与えるか、
魚の釣り方を教えるか、
魚のいそうなところを見つける知恵を授けるか」

この言葉は、老子の「授人以魚 不如授人以漁」が元となると言われています。

田中氏は、「魚」を「知識」と置き換え、「顧客に、本当の満足を提供しているか」を改めて意識するための金言として、コンサルタントがいつも心に留めて置くべきもの、とお話されました。

田中氏のお人柄もあり、終始和やかに進んだ講演会。終了後は質疑応答により活発な意見交換がなされ、その後のグループディスカッションに続きました。

 

尚、この講演の際に使用されたPowerPoint資料は、田中氏のご厚意により、後日希望者にメール配信されました。

参加できなかった会員の方でご希望の方がいらっしゃいましたら領布いたします。全能連事務局までご連絡ください。

お問い合わせフォーム | 公益社団法人 全日本能率連盟

 

 

田中秀春
1967年航空大学(現・独立行政法人)卒業。日本航空㈱入社、乗員機関士、乗員訓練所および航空大学校学科教官。その後シャープ・ターミナル・システムズ㈱設立に参画、製品開発本部事業企画・開発主任技師を経て、産業能率大学及び大学院教授として問題解決力養成講座、生産管理、プロジェクト・マネジメン ト、問題分析力養成講座、MOT‐テクノロジー・マーケティング等の講義を担当。
コンサルタントとしては、主に大手メーカー(製紙、電機、複写機、半導体、部品、自動車など)の新製品開発プロジェクト指導、テクノロジー・マーケティングの若手への基本・重要教育、部門長への企業組織形態再編や人事評価の指導など多岐に渡る。
主な著作:共著-「価値経営」日刊工業新聞社、「新・VEの基本」「テクノロジー・マーケティング」 「バリューイノベーション」(いずれも産業能率大学出版部)。

 

テクノロジー・マーケティング―技術が市場を創出する

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新・VEの基本―価値分析の考え方と実践プロセス

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