活躍するMC-第2回 株式会社セントジェームズアソシエイト 萩原泰之さん
全日本能率連盟が認定するマネジメント・コンサルタント/インストラクター中からご活躍中の方をピックアップしご紹介の第2回目。
今回は、「株式会社セントジェームズアソシエイト」の萩原泰之さん。企業の海外事業展開を支援、また海外で活躍する人材育成支援を中心に活躍されています。
萩原さんはICMCI(国際コンサルタント協議会)にも積極的に参加しており、2019年の全能連70周年記念事業として開催するアジア・パシフィック地区カンファレンスのWG主査に就任することが決定しています。
35年の海外勤務経験を活かし、クライアント企業のグローバル展開をサポート
海外事業部を立ち上げたい、グローバル人材を育てたい、と考えてはいるものの、具体的にどういう展開をしていくかという悩みを持つ経営者は多いのではないだろうか。そんな中小企業に向けて、萩原氏はグローバル展開の事業戦略/展開支援を提供している。 日本企業の成長戦略の最も重要な課題として海外進出が叫ばれて久しい。しかし、多くの企業は未だ海外に販路を持たず、また従業員の渡航経験も乏しい。一方で、大企業・中小企業を問わず大規模なM&Aや海外販路拡大などを展開している企業も増えてきた。このダイナミズムの中で、限りある経営資源を損なわず、今いる社員を「グローバルに活躍できる人材」へと育て上げて海外取引を確実に拡大するよう導いていく。これが萩原氏のコンサルティングだ。
独立してまだ日が浅いものの、それまでに培ってきた経験と豊かな人脈を武器に、着実に実績を上げている萩原氏。東証一部上場企業の海外展開提案、海外大手オーディオメーカー 営業本部長コーチング、大手通信キャリア企業のタイ市場調査支援、さらには東証一部上場企業営業幹部への米国教育プログラム支援など、快進撃を続けている。
大学卒業後、大手総合エレクトロニクスメーカーにて35年間、一貫して海外事業を支えてきた。仕事内容も、豪州法人では財務部新規事業マネージャー、アジア地域事業本部ではアジア法人副社長、小売業向けITシステムソリューション営業部長やグループのグローバルアカウント推進本部長など、幅広い業務をこなしてきたマルチプレイヤーだ。
オーストラリアでは事業買収や新規開拓を担当し、300億円規模を動かしてきた。成功もあれば失敗もある。そのさまざまな経験が、現在の「クライアントの立場を考えたコンサルティング」につながっている。
異文化の中での交渉は、価値を共有する技術
もともとは、海外支援における事業展開サポートをメインに、経営トップへのコンサルティングや代理店選定、契約支援など営業の仕組みづくりを提供していた萩原氏だが、海外事業を継続的に発展していけるかと考えた時、実は「人材」の問題に行き着くことに気づいたという。
海外へ派遣する社員への研修は、とかく「病気になった時には」「契約などの手続きは」といった事務的な講習で終わってしまいがちだ。
しかし、海外での交渉において、一番大事なのは「異文化への理解」だと萩原氏は言う。
もちろん、駐在先の文化や習慣はある程度調べては行くだろう。しかし、表面的にはわかりづらい歴史・民族抗争を含めた文化の肌感覚を身につけなければ、信頼を得ることは難しい。
海外駐在当時の写真(萩原氏提供)
「たとえば、ドイツはイデオロギーにより東西に分かれていますが、それはこの5、60年の話。1000年以上前のドイツという国がなかった時代を考えると、民族的には南北で分かれているのです。特に欧州の場合は国の成り立ちが複雑ですから、ちょっとした雑談のつもりで民族間のデリケートな部分に触れてしまい、大問題に発展する場合があります。知識はもちろん必要ですが、そういった重層的な歴史の中でも相手との価値を共有していく技術が極めて大事になるのだと考えています」。
もちろん、萩原氏がすべての国の歴史・文化に精通しているわけではない。が、これまでに培ってきたネットワークを通して、臨機応変に人材育成プログラムを充実させていく。
より実践的にリニューアルしたグローバル人材育成プログラム
萩原氏のグローバル人材育成プログラムは、この6月にリニューアル。海外勤務35年の実績に基づいた、より実践的なプログラムとなる。
海外クライアントとの長い取引を見据え、論理的思考とタフなメンタルを育て海外交渉を成功させるための「世界で闘える人材」シリーズは、これから海外派遣を担うであろう若い人材はもちろん、彼らを指導する中堅社員にもぜひ受講してほしいと萩原氏は語る。
人材マネジメントをベースに海外支援全体を考え、世界進出へのパートナーとして広い視野でコンサルティングを行う。萩原氏の活動は、これからの海外戦略を考える企業、もしくは未だ実績が上がっていない海外拠点を持つ企業の改革を、大きく押し進めていくだろう。
プロフィール
米国ニューヨーク州立大学オスウィゴ校留学、筑波大学卒業後、1980年に富士通株式会社入社。以後、オーストラリア、シンガポール、イギリスなど諸外国の現地法人にて勤務。2016年に株式会社セントジェームズアソシエイツ設立、代表取締役就任。企業の海外戦略支援・人材育成を提供している。モットーは「困難な課題にチームでチャレンジし、高い目標を達成すること」。
7月21日(金) 13:30よりMC(マネジメント・コンサルタント/MI(マネジメント・インストラクター)大会を開催いたします
全能連では、「経営の科学化推進と健全な産業人材育成」を目的に公益活動を展開しており、有用な情報発信ならびに資格認定者相互の交流の場づくりの一端として、今年度は以下のMC(マネジメント・コンサルタント)/MI(マネジメント・インストラクター)大会を企画いたしました。会員の皆様のみならず、これから全能連認定の資格取得を検討されている皆様、および企業の人材育成を担当されている皆様方にも広くご出席いただきたいと考えております。ご参加をご希望の方は以下に記載しております方法で、当連盟までお知らせ下さい。
皆様の積極的なご参加をお願い申し上げます。
開催日時:2017年7月21日(金)13:30-16:00
開催場所:アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)5F 大雪
参加費:無料(先着70名まで)
対象:企業の人材育成ご担当者
MC(マネジメント・コンサルタント)および
MI(マネジメント・インストラクター)資格取得希望者
コンサルタント・インストラクター関係者(会員、資格認定者)
お申込方法:
①当連盟ホームページのトップページ右上の
お問合せ欄より
・会社名・会社所在地・ご出席者のお名前・部署/役職名・
E-mailアドレス・お電話番号
(個人の方も歓迎いたします。記入できるところはご記入ください)
をご記載の上、お申込み下さい。
②上記の内容をご記載の上、当連盟までFAX(03-3221-5054)
をお送り下さい。
③認定者の方は当連盟までメール送信(taikai@zen-noh-ren.or.jp)でも
お受けいたします。お名前と認定番号をお知らせください。
プログラム(敬称略):
ご参加をお待ちしております。
平成28年度の受賞論文の表彰式と情報交流会を開催しました。
平成28年度の受賞論文の表彰式と情報交流会を開催しました。
日 時: 平成29年5月31日(水) 15:10~16:30
当日は曇りがちで雨も心配されましたが、栄えある論文表彰式がアルカディア市ヶ谷において大勢の参加者の祝福の中、挙行されました。
各賞の受賞結果は以下のとおりです
○経済産業大臣賞(1編)
ICT投資におけるSCMキャッシュフロー方程式の有効性についてのケース研究
日本ユニシス株式会社 上岡 恵子 様
ファイルース・コンサルティング 青柳 六郎太 様
○経済産業省経済産業政策局長賞(1編)
日本ビジネスブレーン株式会社 佐々木 伸 様
○全日本能率連盟賞(5編)
ダイバーシティー時代のオフィスワーク職場の長時間労働抑制アプローチ
~人的リソース管理の仕組みづくりによる労働時間短縮~
株式会社日本能率協会コンサルティング 梅田 修二 様
「フレーム&ワークモジュール®」メソドロジーを活用した一億総活躍社会実現、
グローバル&AI時代の業務革新およびナレッジ蓄積型人材育成マネジメントシステム
株式会社ベーシック 田原 祐子 様
中小部品メーカーにおける立ち上げ確実性マネジメント
- 後追い仕事を産まない生産準備体制の構築 -
一般社団法人中部産業連盟 藤田 伸之 様
介護施設事業へのNA(Nursing Automation)の導入
渡辺経営調査士事務所 渡邊 敬二 様
ものづくり中小企業の競争力を強化する間接業務機能強化支援
一般社団法人中部産業連盟 左右木 公嗣 様
お一人おひとりが賞状が授与されると、会場内からは祝福の大きな拍手が沸き起こりました。引き続いて経済産業省 伊藤参事官、全能連 中村会長とともにそれぞれ記念撮影を行いました。
なお、経済産業大臣賞、ならびに経済産業省 経済産業政策局長賞の受賞論文は、全能連のホームページに掲載され、末永くその栄誉を称えられます。
過去の表彰論文名一覧[全国能率大会] | 公益社団法人 全日本能率連盟
本ブログにおいて、平成28年度の経済産業大臣賞、経済産業省 経済産業政策局長賞受賞者のインタビューを追ってアップする予定ですので、ぜひお楽しみに!
また、平成29年度の全国能率大会の論文募集もすでにエントリー受付が始まっており、締め切りは8月10日(木)となっています。ぜひふるってご応募をお願いします。
講演
「成長戦略としての働き方改革と人材育成について」
経済産業省 産業人材政策室 参事官
伊藤 禎則 様
引き続き経済産業省の伊藤参事官から、今盛んに叫ばれている「働き方改革」についての講演がありました。データによれば、OECD加盟国35か国中、1人当たりの労働生産性は、日本は22位とのこと。伊藤参事官からは、講演の中で、働き方改革についてのたくさんの示唆と解決のためのキーワードをいただきました。生産現場での生産性向上以上に、ビジネスパーソンの生産性をいかに上げるかが、今後の日本の産業界全体の課題と言えるでしょう。
ご入会のお知らせ
平成29年6月1日、2団体にご入会いただきました。
ご関係の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
一般社団法人日本マネジメント団体連合会
創立:2016年12月
事業内容 : 非営利団体の複合体として人間主義マネジメントを推進
ハイアス・アンド・カンパニー株式会社
設立:2005年3月
事業内容 : 住関連産業のソリューション提案型のコンサルティング
活躍するMC-第1回 日本事務器株式会社(NJC) 桝谷 哲司さん
全能連では、MC又はMI資格認証を受けておられる方々が活躍される姿をご紹介することで読者の皆様にとっての啓発・啓蒙に少しでもお役に立てればと考えております。
また、実際のコンサルタント及びインストラクターの方々の姿を拝見することで、これから認証取得したいと考える方々に、より具体的な将来像を得て頂ければと考えております。
第1回目としまして、日本事務器株式会社(NJC)執行役員で、シンガポール駐在員事務所の首席でいらっしゃる、マスターマネジメントコンサルタントの桝谷哲司さんをご紹介したいと思います。
熱気に満ちた街、シンガポール。気候の話だけではない。世界の流通を担い、国を挙げてICT化に向けてエネルギッシュに日々変化していく-そんな印象さえある街。その中心街ともいえる位置にNJCの駐在員事務所は存在する。
桝谷さんとシンガポール事務所ビル入口にある案内ロボット。このロボットもNJCがServiced Office CROSSCOOPと業務効率化のモニタリングを行っている。日本語・英語に対応し、来訪者には好評を博している。
NJCにとっては初めての海外拠点。それをシンガポールに置いたのは、「優れたシステムとサービスを通して、豊かな社会の実現に貢献します」との企業理念を掲げ、経営とICTの最適な関係構築を得意分野とするNJCにとっては、むしろ自然なことであったのかもしれない。
桝谷さん曰く、「当社はグローバルスタンダードなICT技術を活用しています。しかし、多くの日系企業は東南アジアの環境にあったシステム環境を利用していない状況で、エクセルを駆使して必要以上の労力を割いて苦労されています。日本の事業との情報共有も電子メールによる報告の時代から抜け出せないでいる。事業活動の推進にはそれではもったいないと。」
シンガポールで既に実用化されているICTソリューション
グローバルスタンダードなICT技術と、NJCのソフトウェアとこれまで積み重ねられた経験。それらをハイブリッドするとまさにこうなる、という好例が桝谷さんのオフィスだ。
部屋の壁にスクリーン、事務机が1つ。書類はほとんどなく、桝谷さんによれば「紙で保管する必要がないんですよ。契約書くらいですかね。」とのこと。今やPC・タブレット・スマホによる情報授受はもちろん、保管は電子的に、リモートでオフィスの施錠をする、現在位置/予定表/図面-なんでも同時共有できてしまう。
テレビ会議システムも日本のシステムとセキュリティ対策をシンガポールに入れようとするから難しいのであって、最初からグローバルスタンダードな機器、システムを入れれば映像共有もお手のものとのこと。シンガポールで社外の方と打合わせの際にも、ちょっと東京の役員の方が画面の向こうからご挨拶、ということも可能だ。
「シンガポールの現場で、いろんな日系企業さんとお会いしているとICTで解決できることがたくさんあると気づかされます。」
まさにコンサルタントの本領発揮の舞台はそこにある。
「今は駐在員事務所として私一人ですが、初年度から多くの企業様とコンタクトできました。経営資源に関わるいろんな分野のコンサルティングの相談をされることもあります。」
NJCのシンガポール駐在員事務所は、海外進出を図る企業にとっての一種のデモオフィスとして、今後の仕事のやり方がもっと効率的にできると感じさせるものだった。
また桝谷さんの熱のこもったお話を伺えば伺うほど、小さな懸念など払拭され、より明るい将来像が描ける気がしたのは、NJCのソリューションサービスのみならず、我々の訪問を温かく迎えてくださった桝谷さんのお人柄によるものも大きいと感じた。
先端ICT技術と心のこもったコンサルティング、この2つの融合が生み出すコンサルティングの未来は明るいー。
今回、一般社団法人 中部産業連盟理事の福山先生、早稲田大学招聘研究員で兼担講師の澤口先生とともにお邪魔させていただきました。桝谷さん、お忙しいところお時間をいただきありがとうございました。
Gardens by the bayからMarina bay sandsと市街を望んで